複数の抗体を用いた蛍光染色


Posted by CSTジャパン on 2017/09/15 6:00:00


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複数の抗体を1回の実験に用いると、より多くの有用な情報が得られます。複数の抗体と細胞染色用色素による多重染色は、マルチプレックス解析のシンプルな例です。細胞や組織におけるマルチプレックス解析技術は、一般的な細胞生物学研究だけでなく、診断目的にも適用可能な、強力な研究ツールです。これらの技術により、複数のバイオマーカーでサンプルを評価できます。また、標的同士の関係を共局在解析により評価することも可能です。本ブログでは、複数の抗体を用いた蛍光染色について、2つの一般的な手法を紹介します。


異宿主抗体を用いた間接免疫蛍光染色 (例:ラビット+マウス)

  1. プロトコールの概要 (製品により詳細が異なるため各製品の推奨プロトコールも参照してください)
    1. 固定 / 透過化処理
      1. 両抗体について結果が最良となるようにプロトコールの最適化が必要
      2. 抗体ごとに個別に検討する必要あり
    2. 洗浄
    3. ブロッキング (二次抗体の非特異的な結合を防ぐ)
      1. 二次抗体の宿主が同じ場合に最も効率が良い (例:ヤギ)
    4. 一次抗体反応:各一次抗体を抗体希釈バッファーで推奨希釈率に希釈し、4℃で一晩インキュベート
    5. 洗浄
    6. 二次抗体反応:各蛍光標識二次抗体を抗体希釈バッファーで推奨希釈率に希釈し、室温で1時間インキュベート
      1. スペクトルがオーバーラップしない蛍光色素の組み合わせの選択が必要
    7. 必要に応じて対比染色を行った後、褪色防止剤で封入
  2. 長所:
    1. 蛍光標識一次抗体を用いた直接検出法よりも明るい
    2. 標準的な蛍光染色プロトコールに似かよっている
    3. 一般的な試薬で実施可能で、特殊なイメージング装置も必要としない
  3. 短所:
    1. 使用可能な宿主の種類によって限定される
    2. 一次抗体反応と二次抗体反応を別々に行う必要あり

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染色例:

左:SNB19細胞を以下の組み合わせで染色

中央:MCF-7細胞を以下の組み合わせで染色

右:MCF-7細胞を以下の組み合わせで染色


異なる蛍光色素で直接標識された抗体を用いた直接免疫蛍光染色

  1. プロトコールの概要 (製品により詳細が異なるため各製品の推奨プロトコールも参照してください)
    1. 固定 / 透過化処理
      1. 両抗体について結果が最良となるようにプロトコールの最適化が必要
      2. 抗体ごとに個別に検討する必要あり
    2. 洗浄
    3. 一次抗体反応:各一次抗体を抗体希釈バッファーで推奨希釈率に希釈し、4℃で一晩インキュベート
    4. 洗浄
    5. 必要に応じて対比染色を行った後、褪色防止剤で封入
  2. 長所:
    1. 同宿主抗体でのマルチプレックス解析が可能
    2. 間接法よりも時間・コスト面で効率が良い (二次抗体がいらない)
    3. 標準的な蛍光染色プロトコールと似かよっている
    4. 一般的な試薬で実施可能で、特殊なイメージング装置も必要としない
  3. 短所:
    1. 二次抗体を用いる間接検出法よりも暗い (感度が低い)
    2. 使用可能な蛍光色素によって限定される

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染色例:ラット海馬を#8024 Neurofilament-L (C28E10) Rabbit mAb (Alexa Fluor® 488 Conjugate) (緑)、#3656 GFAP (GA5) Mouse mAb (Alexa Fluor® 555 Conjugate) (赤)、#4639 α-Synuclein (D37A6) XP® Rabbit mAb (Alexa Fluor® 647 Conjugate) (青 疑似カラー) で染色。

IF用一次抗体リストはこちら

 


Alexa FluorはLife Technologies Corporationの登録商標です。
DRAQ5はBiostatus Limitedの登録商標です。
MitoTracker はMolecular Probes, Inc.の登録商標です。

 

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