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がんの特性:血管新生の誘導


Posted by CSTジャパン on 2019/09/01 6:00:00


がん細胞は、腫瘍に栄養素を供給するために新しい血管の形成を誘導します。「血管新生 (Angiogenesis)」は、既存の血管から新たな血管枝を形成して血管網を構築する現象であり、腫瘍の増殖に重要な役割を果たします。

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血液の供給が不十分である場合、良性腫瘍は休止状態のまま維持される可能性があります。しかし、休止状態の腫瘍で「血管新生スイッチ」が起こると腫瘍細胞から増殖因子が分泌され、新たな血管の出芽や血管内皮細胞の腫瘍塊への走化性を誘導します。

腫瘍塊で酸素の供給が不足すると、転写因子HIF-1 (hypoxia inducible factor-1) タンパク質が安定化して蓄積します。HIF-1は、VEGF (vascular endothelial growth factor)bFGF (basic fibroblast growth factor)、あるいはPDGF (platelet-derived growth factor) といった、いくつもの遺伝子の発現を活性化させて血管新生のプロセスに寄与しています。

今回ご紹介したがんの特性のひとつ、血管新生についてもっと詳しく知りたい方は、CSTパスウェイの血管新生リソースをご覧ください。

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がんの特性 (Hallmarks of cancer) はRobert Weinberg博士とDouglas Hanahan博士によって提唱され、2000年のCell誌に発表されたものです1。彼らは、複雑ながんの性質を、より小さな特性 (増殖シグナルの維持、増殖抑制の回避、無秩序な複製による不死化、浸潤能および転移能の活性化、血管新生の誘導、細胞死への抵抗性) に細分化して捉えることを提案しています。今回の記事では、これらの特性の一部について記載しました。本シリーズの他の記事では、今回触れなかった他の特性についても触れていきます。

  1.  Hanahan D, Weinberg RA (January 2000). "The Hallmarks of Cancer". Cell. 100 (1): 57–70. doi:10.1016/S0092-8674(00)81683-9
  2. Hanahan D, Weinberg RA (March 2011). "Hallmarks of Cancer: the next generation". Cell. 144 (5):646-74. doi: 10.1016/j.cell.2011.02.013.

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