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免疫の概要:免疫システムは私たちをどのように守るのか


Posted by Cell Signaling Technology Japan on 2020/05/15 6:00:00


科学者や医療専門家は何百年もの間、私たちが病気になる原因と、体が病気に対応する無数のメカニズムについて研究してきました。これらのメカニズムには、非常に単純なものもあれば、ひどく複雑なものもあります。免疫についてのブログシリーズのこの最初の記事では、免疫システムが病気を防ぐために用いる様々な戦略を紹介します。

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体が感染や病気から身を守るのに使用する細胞戦略システムは、今日では免疫システムと呼ばれています。免疫システムは、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫など、外部から侵入する様々な種類の微生物から私たちを守っています。さらに、環境汚染物質からも守り、がん細胞など体内の問題のある細胞さえも除去します。免疫システムがなければ、私たちは感染や病気に対して極めて脆弱なのです。

免疫システムは、自然免疫応答および獲得免疫応答と呼ばれる、2つの広範な細胞防御で構成されています。

 

自然免疫

自然免疫応答は、感染性の外部侵入微生物に対する防御の第一線です。皮膚や粘液などの物理的な障壁からサイトカイン産生や補体活性化まで、あらゆるメカニズムを利用して病原体に迅速に応答します。これらの方法はすべて、新しい病原体との最初の出会いに始まる一次免疫応答の一部です。サイトカイン産生および補体活性化は、免疫細胞を感染部位に動員し、組織に炎症応答を引き起こします。

自然免疫システムは、血液や組織に存在する様々な白血球によって病原体を検出します。白血球は、体の細胞と病原体を区別するため、汎化された細菌認識受容体により病原体を識別します。このアプローチはそれほど特異的ではありませんが、多くの細菌の膜に共通して存在する分子を認識することで、侵入する細菌を検出できます。自然免疫システムは病原体を細胞に記憶することはできませんが、感染に対しすぐ、数分から数時間以内に応答することができます。

自然免疫応答において病原体を殺すことに積極的に関与する細胞の多くは、好中球、好酸球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞などの食細胞です。食細胞は、問題のある細胞を飲み込んでから、さらなる検出のため細胞外液にその抗原を放出するか、免疫系の他の細胞に警告するため細胞膜に外来抗原を提示します。

 

獲得免疫

自然免疫とは対照的に、獲得免疫システムはゆっくりと数日かけて応答し、また、特定の抗原を介して外来侵入者を検出するカスタムメイドの受容体を使用します。これは、T細胞、B細胞、およびナチュラルキラーT (NKT) 細胞と呼ばれるリンパ球が組み合わさって生じる緩やかなプロセスです。それらのリンパ球は協働し、特異的な抗体により病原体を脅威として特異的に検出しマークします。その後、応答は増幅され、侵入者を破壊します。

この戦略の最も重要な利点の1つとして、獲得免疫システムは、特異的な記憶T細胞および記憶B細胞を血液やリンパ節に保持することにより、病原体の永続的な記憶を形成できることが挙げられます。これにより免疫システムは、将来、同じ病原体と遭遇した際に、より速く簡単に撃退する準備ができます。その後の抗原への曝露により、二次応答と呼ばれる細胞攻撃のレベルが増加します。

自然免疫応答および獲得免疫応答は、細胞外液の高分子によって、あるいは特定の免疫細胞の活性化によって引き起こされます。これらの応答はそれぞれ、液性免疫および細胞性免疫として知られています。

液性免疫はしばしば浮遊する抗体や補体タンパク質により外因性抗原を検出しますが、細胞性免疫はT細胞、マクロファージ、あるいはナチュラルキラー (NK) 細胞により感染した体細胞を破壊します。

興味深いことに、NK細胞とは異なるT細胞の特定のサブセットであるナチュラルキラーT細胞は、自然免疫細胞と獲得免疫細胞の両方の機能を持ち多様な応答をします。ナチュラルキラーT細胞はしばしば自然免疫応答の一部として分類されますが、獲得免疫応答においても相互作用します。

自然免疫システムおよび獲得免疫システムと、それらに関与する細胞について、詳細な情報を今後取り上げていきます。ぜひブログをご購読ください。

 

参考文献:

Immunity: The Immune Response in Infectious and Inflammatory Disease
By Anthony L. DeFranco, Richard M. Locksley, Miranda Robertson

 

Topics: Immunology

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