Responsible Science Podcast:エピソード1 – イントロダクション


Posted by CSTジャパン on 2019/01/15 6:00:00


査読付き論文に掲載された実験結果の多くが再現できないなど、科学の信頼性が揺らいでいる中、「責任ある科学 (Responsible Science)」とは何かを語る5回シリーズのポッドキャストを、サイエンス誌「Science: Disrupt」とのコラボレーションでお送りします。

Episode 1 Responsible Science Podcast

「責任ある科学」というフレーズを聞いて - これは一体何のこと?誰が何に対して責任があるの?科学はすでに十分に責任を果たしているのでは?

このようなやりとりがきっかけとなり、科学界で最も影響力のあるインフルエンサーや組織の方々を招き、「責任ある科学」についてディスカッションする、5回シリーズのポッドキャストをお送りすることになりました。

このシリーズでは、科学者自身が科学を責任あるものにするために何をなすべきだと考えているかを探ります。また、広範にわたる科学のエコシステムにおける企業の役割について問題提起します。さらに、テクノロジーの力を使って科学を「解決」することに積極的なスタートアップ企業、そして、科学を分かち合う素晴らしい世界とそれを伝える人々の役割を探求します。

最初のエピソードでは、責任ある科学についてあらゆるアイデアを探求しました。そのために、ガーディアン誌の「Longread」への寄稿で長年貢献してきたStephen Buranyiにインタビューしました。Stephenは科学に関する出版や不正といったテーマについて幅広く執筆活動をしてきており、研究室における責任についてお話しする上で適任と言えましょう。

さっそく最初のエピソードを聴いてみましょう。Stephenとのディスカッションポイントは以下の通りです。

 

はじめに、「責任ある科学」という抽象的な表現について、その概念を紐解きたいと思います。これは、仮説や理論の基本的な理想に関するものなのでしょうか?それとも、科学をやり遂げる方法に目を向けているのでしょうか?

「私は、科学者の日々のモチベーションは非常に高いと思っています。ただ、科学者の働く組織や体制について考えると、問題にぶつかると思います。そのうちの一つは論文出版についてであり、もう一つは、成果に対して報いられているかです。」

科学におけるインセンティブの問題以外にも、最高の科学を可能にするために取り組まれていることはたくさんあります。

「多くの人々や組織が様々な方法で物事に取り組んでいます。科学に新しいチェックとバランスのシステムが導入されています。」

しかし、これらの新しいテクノロジー、アイデアや組織が、科学という巨大で複雑なシステムや、変更が容易ではない強固な文化と戦うのに十分であるかは疑問です。

「科学を共有したり、よりオープンにしたりする新しい方法では、数ヶ月おきにインターネットを通して結果を公表することができます。これはとても素晴らしいことですが、インターネットが爆発的な人気を博した当初、人々はこのテクノロジーによって既存の出版業界は壊滅的な打撃を受けるだろうと考えました。実際にはそうはなりませんでしたが、大きな技術的な変化であったことは事実です。」

民間企業とその科学的役割も取り上げました。企業のモチベーションに対して一般的に科学者は懐疑的であることや、がん研究における再現性の問題について警鐘を鳴らしたのはBayerであったことなどです。

再現性に関しては、「責任ある科学」というフレーズを聞いた時にほとんどの人が示す反応として、より良いテクノロジーで解決できる部分と簡単には解決できない部分の違いについて議論しました。

「再現性の危機についてお話しするとすれば、多くの実験は検証が不十分で、再現不可能な方法で行われています。そして、これは、他者だけでなく、もともとの実験者自身も再現するのが難しかったりするわけです。実験方法を詳細に共有していないから再現できないわけではありません。原因のいくつかは簡単に修正できます。そのうちの一つは文化の違いに起因しており、もう一つは技術的な問題です。

次回予告:インターネットの力を使って、科学をより責任あるものにする積極的なスタートアップ企業について取り上げたいと思います。テクノロジーは本当に答えなのでしょうか?

Can I trust my antibodies?

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