ウェスタンブロットを失敗した場合の費用


Posted by CSTジャパン on 2017/03/03 8:00:00


Cost-Failed-Exp-HEADER研究費について考えることは、シグナル伝達経路の研究のように楽しいことではありません。
しかし、研究資金の獲得は容易ではないため、ウェスタンブロッティング用の試薬を選ぶ際にはよく考える必要があります。なぜなら、実験全体が成功するかどうかは、抗体の信頼性、特異性、感度に左右され、一次抗体の品質に注意しなければならないからです。期待通りに抗体が機能しない場合は実験失敗の可能性を意味し、ウェスタンブロット失敗による費用は想像以上となることもあります。


 CostFailedExp

抗体の価格、抗体の検証の程度およびサポートデータの質は、抗体会社によって大きなばらつきがあります。大手抗体会社は、大抵幅広い製品ラインナップを誇っていますが、これら会社の抗体が、信頼性、特異性、感度に対する期待を満たしているとは限りません。対照的に、一定した基準の下、社内で独自に一次抗体を作製・検証し、お客様とのデータ共有に手間ひまをかける抗体会社もあります。検証が不適切な抗体は、特異性を欠くために偽陽性の結果につながるか、感度が十分でないために偽陰性の結果につながることがあります。さらに悪いことに、適切なコントロールを設定していない場合、抗体が機能しないことが明るみにならないことがあり、誤った結果に基づいてプロジェクトが進行することになります。

サンプルの調製からブロットの実行まで、ウェスタンブロットには時間と費用がかかります。サンプル調製の費用は、特に組織サンプルや初代培養細胞を使用する場合、さらに増えます。例えば、実験動物からサンプルを調製する場合、飼育費などの費用がかかります。また、実際の実験に要する時間に加えて、動物が実験に使用できる状態になるまでには数週間かかることもあります。つまり、サンプル採取には結局数千ドル数十万円の費用と数週間あるいは数ヶ月間の時間が必要になる可能性があります。こうした努力にもかかわらず、検証が不適切な抗体により実験が失敗してしまうかもしれないのです。

ウェスタンブロットが失敗すると、実験のやり直しと広範なトラブルシューティングの実行を強いられます。例えば、抗体濃度の検討など、実験条件を最適化するのに時間とお金を費やさなければならなくなり、他の実験に費やす時間が少なくなります。それと同時に、貴重な研究費が消えてゆきます。このような理由から、初めから常に機能すると信頼できる抗体を使用することが重要なのです。これには、抗体が十分に検証され、かつ最適な希釈条件が既に決定されていなければなりません。失敗のリスクを減らすために、次の要件に準拠していることを確認しながらお客様ご自身で抗体を検証することができます:

  • コントロール細胞/組織を用いて予想される分子量に明瞭なバンドが確認される
  • 次の一つ以上の項目において特異性が確認される:
    • 活性化剤または阻害剤による処理
    • 発現陽性および陰性細胞株または組織
    • リン酸化特異的抗体のためのフォスファターゼ処理
    • siRNAまたは他の手段を用いたノックダウン実験、あるいはマウスモデルを用いたノックアウト実験
    • 段階希釈によるS/N比の高い至適希釈率の決定

上記の抗体検証を行うには複数のウェスタンブロットを実行しなくてはならず、追加試薬の購入が必要になり、さらに費用がかさみます。一方で、上記の基準を満たし、質の高いデータをお客様と共有する抗体会社から抗体を購入することができます。特異性が立証されている抗体は、ウェスタンブロットが成功する可能性を最大限に高めてくれます。最終的に、論文用に信頼性の高いデータを取得し、低コストでプロジェクトをより早く進めるのに役立ちます。

検証が不十分な抗体を購入すると、結局は多くの費用がかかることになります。次回の実験において時間と資金を無駄にしないために、十分に検証された信頼できる抗体を購入してください。

ウェスタンブロットのプロトコールのヒントをお探しですか?「WBガイド」には、様々な役立つ情報が掲載されています。

  • より優れたウェスタンブロットのための10段階プロトコール
  • トラブルシューティングのヒント
  • お勧めのプロトコール関連製品
資料請求はこちら

ブログ更新通知のご登録

最近の投稿